心理ハック
人は先送りし続けていたことがうまく処理されることに、ときどき抵抗を示す
いつもこんなことをするわけではないのですが、時にはこうした傾向を示すこともあるという話です。
私はこの現象を見るにつけ、少し不思議に思っていたのですが、最近一冊の本を読んで、何となく理由がわかるような気がしました。
脳は極端な節約家

自分の本でも、「やる気は有限だから、脳はちょっとでも気力の節約に励む」という話を書いてきましたが、それにしても、「長いこと解決できなかったことが、あっさり解決される場合でも、それに抵抗する」という心理はよくわかりませんでした。
自尊心の問題も絡むのかもしれません。
しかし、どうやら自尊心の問題より、「この問題は解決されない」という現実に、脳がすっかり慣れてしまうようなのです。したがって、「解決方法」が何か、ひどく非現実的なもののように感じられるようなのです。
最近それを、私の妻が示しました。妻は長いこと、どういうわけか、登山用のザイルを大学時代の友人に借りていたのですが、それを返す手続きを数年も先のばしにしてきたらしいのです。
私は宅配業者に電話してそれを返す手続きをしたのですが、それに消極的ながら、妻がいちいち抵抗を示したので、とても不思議でした。少なくとも私には、いちいち消極的な抵抗をしてくるように思えたのです。
ザイルだから何かに包まなければならない。宅配業者がいつ来てくれるかわからない。断られるかもしれない。などの理由を述べ立てるのです。私はひどく当惑しました。簡単に返せることを知っていたからです。
保守あるのみ
脳は、慢性的なエネルギー不足に悩んでいる、というような記述を最近『ソーシャルブレインズ入門』で読みました。本書では、対人関係におけるコスト切り下げを企図する、という文脈でしたが、他のことでも同様でしょう。
要するに、すごく保守的な傾向を持ちたがるというわけです。それまで現実だったことは、その後も現実であり続けて欲しい。そうすれば、既知の方法で対応できるからです。
面白いのは、「既知の方法」がぜんぜんメリットをもたらさないものでも、それに拘泥しかねないところでしょう。先送りし続けることが、それほど嬉しいことだとは思えませんが、あまりに長いこと「解決されない問題」に直面し続けていると、「解放はどれも実行不可能」と判定することもあるようです。
| ソーシャルブレインズ入門――<社会脳>って何だろう (講談社現代新書) | |
![]() 講談社 2010-02-19 売り上げランキング : 47327 おすすめ平均 |
|
「今そこにある情報」を活用する

先日、「佐々木さんは本をたくさん出されていますが、「情報源」はどうなっているのですか?」と尋ねられました。
私はこの手の質問をいただくたびに、妙に落ち着かない気持ちになります。なんだかまるで、
99.999%以上の人が知っているどうでもいい情報源
0.0001%未満の人だけが知っている黄金の情報源
というふたつの情報源があって、私は後者に属するずるい人、のように思われているのかと勘ぐってしまうからです。
価値ある情報、読んでますか?
しかしそんなものはないのです。少なくとも私に関しては。おそらく大半の人が知っている情報源に、私も接しているにすぎません。そう見えないとしたら、いわゆる「認知の歪み」にとらわれています。
もちろん、お気持ちはわかります。Lifehacking.jpの堀さんや百式の田口さんなどには「黄金の情報源」がありそうに見えるのでしょうね。
しかし私は、彼らの「情報源」といえども、「手の届かないところに隠されてある」などということはないと思っています。そう感じられるのは、ある種の心の弱さゆえでしょう。
もちろん、英語サイトという情報源があるかもしれませんが、英語サイトが隠されているわけではありません。自動翻訳も今ではあります。精度は完璧でないにせよ、どんなことが書かれているか、漠然とならわかるはずです。
たとえば、私はほぼ毎日Psychology Pressというサイトをチェックします。しかしこれは、誰にでもアクセスできるかなり有名なサイトですし、ビジネス心理学関係をGoogleで検索していれば、必ず引っかかるでしょう。以下にあるページをGoogle翻訳にかけてみました。
陰湿な職場行動
編集ジェラルドグリーンバーグ。
2010年6月発行陰湿な職場の行動(IWB低)を参照するレベル、逸脱の広範な行為を個人や組織の目標で指示した。 その本質的にステルス性のため、科学者、IWBに、私たちはそれについて少し知っていることはほとんど注意を払っている。 本書では、今は…
陰湿な職場の動作の詳細については…
http://www.psypress.com/browse/work-and-organizational-psychology/
問題はその「引っかかったとき」にやることです。日々、膨大な情報を集めていたとしても、読んでいなければ、どうにもなりません。「黄金の情報源」を持っているかどうかより、情報を実際に読んでいるかどうかが問題です。
「あとで読む」とはいつですか?
毎日のように膨大な情報が上がってきます。そのいくつかには「あとで読む」というタグがつけられています。私がシゴタノ!などでエントリをあげると、たまに人気記事にしていただくことがありますが、そこにもやはり「あとで読む」というタグが大量に上がってきます。
いそがしいというのはわかります。「時間がないのに、この程度の記事は読んでられない」ということかもしれません。
そうであるなら、1日に100もの記事に「あとで読む」とタグ付けするより、1日1記事をその場で読んでしまった方が生産的でしょう。
堀さんの『情報ダイエット仕事術』には、このことに関する重要な記述があります。
たとえば、私の研究者としての「1つの習慣」は毎日1本の論文を探して読むことです。世界には数多くの論文が存在し、とても1日1本では自分の専門に限ったとしても網羅できないのですが、それでも「1本」にこだわることには大きなメリットがあります。
まず1本しか読めないのですから、最もインパクトの大きい大事な論文を探そうと目が鋭くなります。
1日に1つの料理情報を試しに食してみれば、週に2日お休みしても、一年で300もの料理を試食することができます。300のめずらしい料理を知っている人は、きっと聞かれるはずです。「あなたの情報源は何なのですか?」
| 情報ダイエット仕事術 | |
![]() |
大和書房 2008-12-20 売り上げランキング : 178650 おすすめ平均 |



ライフハッカー、必読
情報をダイエットして仕事をしよう





