ライフハック心理学

心理ハック

コミットメントする心理

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モレスキンデイリーダイアリーのラージ。
仕事のみの手帳。職場から持ち出しません。
いつでも机の上に開いて置いてます。何かあったらすぐに書く。
いつでも見てください!な手帳。後輩ちゃんにもそう言ってある。

未来の予定はココ。
明日打ち合わせがあるとか、来週会議があるとか、
ここをみれば全部書いてある。

そして、過去の細かいログもここに書いてあります。全て。
・先生に依頼された仕事、内容。進捗状況。
・業者さんとの打ち合わせ内容。結果。
・出席した会議の内容も全て

スケジュール帳なので、ログは時系列。
そして、「共有前提」なので、出来るだけ客観的に書いてます。
問題が起きたりしたら、問題が起きた「事実」のみを記入。

* ever blue *: 「共有前提」で仕事のログをとる。

こちらを読んで、私は少し感動しました。中の人は私のセミナーにもたびたび出席されますが、大変に謙虚な方ですから、こういう言い方をすると、とても恐縮されてしまいそうですが、こちらのエントリにあることは、なかなかできることではありません。

こちらにある情報項目は、たいていの職場で、「誰かがまとめてくれると、本当に助かるのだが」と成員のほとんどが思いつつ、誰もまとめを実行しない類の事柄です。

私自身にも、覚えがあります。派遣社員時代に、「なぜこの種の情報が、どこを探しても見つけられないのだろうか?」と入社した直後から不可解に思いつつ、ついに最後までそのままに退社しました。

会社のことには、そこまでコミットメントできないのです。私のようなぺーぺーから、勤続35年というベテランの方まで、それは同じでした。会社に朝7時から出社して、会社でラジオ体操され、飲み会には必ず3次会まで出席されるほどの「会社人間」の方ですら、そうでした。

批判的にコミットメントする心理


伝統的に、特定の誰かが「過去の細かいログもここに書いてあります。全て」という状況を作り出す組織であれば、間違いなく誰かがそれをやるでしょう。

人はルーチンで繰り返している行動を、「今日もまたやる」のは得意ですが、今までやったこともないようなアクションを起こすのは、それがかなり有意義に思えても、敬遠するものです。

今の私もそうなのですが、連載を書く方が、新しい書籍企画に手を付けるよりも、はるかに楽です。「ロボット」ができているからです。もちろん連載に書くことは毎回異なりますが、構造は変わらないのです。

連載でもやはり、新しい連載は大変です。最近始まったクラウド時代のネットツール活用術 | BPnetビズカレッジ:仕事術 | nikkei BPnet 〈日経BPネット〉のほうは、まだはじめたばかりなので、いろいろと、と惑いもありますし、一記事あたりにかかる時間が長くなっています。

こういう時には「どれほどコミットできるか」によって、生産性がまったく変わってきます。入り込めば入り込むほど、やるべきことが見えるようになり、面白くもなります。問題は、どうすれば深くコミットする気になれるかです。

私はここで、やや誤解を招く言い方ながら、

批判を表に出さずに、真剣に批判的になる

という発想が使えると思っています。批判を表に出さないというのは、余計な波風を立たせないためというのに加え、吐き出すと楽になってしまうからです。そういうエネルギーのモレを防ぎ、批判的に状況を変えるモチベーションを自分の中で高めるのです。

そういうものではないかと思うのです。冒頭に挙げた「ここをみれば全部書いてある」を実現されている方も、きっとそうだったのではないかと推測しています。人を批判するなど、およそやりそうにない方の文ではありますが、

どこを見ても、何も書いてない

という状況に、やはり批判的だった経験があるはずなのです。かりに、「こういう情報をまとめておいた方がいい」と誰かに言われたとしても、やはり「まとめてない状況」に強く批判的でない限り、あえて「ここをみれば全部書いてある」という環境を整備する動機は、得にくいと思うのです。