心理ハック
450 集中する主体

前のエントリで、「集中力」は認知心理学で、もっと大きく扱われるべきだ、というような意味のことを書きました。もちろん、発達心理学などの分野で、ADD(ADHD)という発達障害が扱われています。これはもともと、集中力や注意力が不十分な子どもの問題に焦点を当てていたものです。
ADDは今や、子どもだけの問題ではなくなりつつあります。仕事中に集中できないということが、社会人の問題としても浮かび上がってきたからです。
現代社会の環境が、人の気損じを生みやすいから、ADDが流行するのか、あるいは、遺伝から発生した心理障害に病名がついたことで、以前よりもはるかに多くの症例が報告されているのか、これを区別するのは困難です。ただ、Lifehacking.jpさんの以下のエントリは、この問題と深い関係があります。
漂流する自分に喝をいれる
定期的に自分にあえて「いま、それをしていていいの?」と確認のリマインダを入れるのは、なかなか集中力が向上しない日が数日間続いているときのリハビリや、10時、14時、16時といった「中だるみ」しやすい時間帯に行うのが効果的です。
毎日これが必要になるわけではありませんが、何をしても集中力が続かないといった昼下がりに、こうしたテクニックを使うのは、終わりかけている午後を救出するのに役立ったりします。
注意のターゲットを、特定の作業にフォーカスし続けること。
「集中力」は、この文脈ではこのように定義されるでしょう。
注意が外からの刺激に誘導されたり、特定の刺激にフォーカスし続けるのが負担になると、異なる刺激に逸脱するのは、認知心理学でも指摘されています。ここでホムンクルス問題に踏み込むと話がややこしくなりますが、とりあえず「前頭葉が脳の社長さんだ」ということにしておくならば、リマインダーは前頭葉(前頭前野)をたたき起こすのかもしれない、という程度の推測はできるでしょう。
ここで一歩踏み込みます。そのような「注意力を保持する集中力」を、意識的な(メタな)自我がコントロールしていると考えると、この上位の自我が働くことができるように、脳のエネルギーを貯えておく必要があります。同時に、それがすぐ動き出せる程度には(少なくともリマインダーで我に返ることができる程度には)、再活性化できる状況になければならないはずです。
その意味で「注意の逸脱」は二重に悪い影響を引き起こしている可能性があります。たとえば「上位の自我」を休ませるために、仮眠をとるという「逸脱」はまだいいのです。よくないのは、「上位の自我」が集中力を保つ上で負担を感じているからといって、他の精神活動(ネットブラウジングや読書やテレビ視聴)をしてしまうことなのです。これは、逸脱によって時間を失う上に、再度集中を得るためのエネルギーも、浪費していることになるからです。








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