ライフハック心理学

心理ハック

420 展望記憶の有意味化 Clip to Evernote

先日、「展望的記憶」、つまり「夕方5時に、コンビニの前を通りかかったら、牛乳を買ってから帰宅する」ための記憶について、友達と話しました。

この友人は、私にとって比較的新しい友達で、「展望記憶」を特に専門で勉強した人です。そうそう「展望記憶を専門で勉強する」人など、身の回りにいるものではないので、この人と話をすることは非常に興味深く、またためになります。

そのとき考えついたことが二つあって、そのうちの一つをこれから書きます。


展望記憶を機能させるためには、欠かすことのできない要素があります。

  1. 記憶の再生
  2. 行動可能性
  3. 気力

1が根本です。リメンバーザミルク(RTM)という名のツールが示すとおり、牛乳を買ってくることを思い出せなければ、展望記憶は失敗に終わります。

仮に、メモを書いておいたとしても、メモを見ることを忘れていて、結局買わずに帰宅してしまえば、やはり失敗です。つまり、メモを適切なタイミングで読み直し、それによって牛乳を買って帰るという行動に至らなければ、ダメなのです。

そこで、2が大事になってきます。思い出したタイミングで、その行動は履行可能なのかどうか。「牛乳を買わなくちゃ!」と、電車の中で思い出しても、買うことができる位置に立っている時には忘れていたのでは、意味がありません。

また、「買わなくちゃ!」とスーパーの中でちゃんと思い出せても、お金が足りないかもしれません。行動の遂行可能性は、記憶再生のタイミングと、いわばシンクロしていなければならないわけです。

シンクロと言えば、3も大事です。思い出したはいい。その行動をとることも可能な物理的状況にある。しかし「やる気がない」。

それは論外、という意見もあるでしょう。しかし、たとえば、国道を走っている時にふと「そういえば、牛乳を買わなくちゃな…」と思い出したとしましょう。そしてコンビニも見えます。ただし反対車線の向こうに。

このように考えてみると、展望的記憶を達成することの、困難さが分かります。記憶の再生だけでも難しいのに、行動の可能な条件下で再生しなければならず、しかもそのときに気力もそろっていなければなりません。

私個人の考えでは、人間に備わっているものの、容易には使いこなせない「展望記憶力」を滞りなく活用し、用事を片端から片づけていくことが、ライフハックの重要な役割だと思います。