心理ハック
156 唐突な出だし

「ライフハックス」とはなんなのか?
私はこれを、「鮮やかに仕事をこなすための考え方、または方法」と解釈している。「ライフハックス」をよく知る人からすれば、このような定義には違和感を覚えられるかもしれない。
「ライフハックス」とは文字通りに解釈するならば、「ライフ(生活)」に「ハックする(うまく対処する)」という意味だ。したがって、「天ぷらを揚げる前に、小麦粉を冷やしておくとよい」というのも、とらえようによっては、「ライフハックス」なのである。
だが、普通はそういう意味で「ライフハックス」を使うことはない。ほとんどの場合、特に二十一世紀に入ってからの「ライフハックス」と言えば、デジタル機器やITツールを、仕事に活用することで、効率化をめざすというような意味である。
したがって、「ライフハックス」が具体的に何を意味するかということになると、それこそ無数のツールや方法を紹介する、「便利ツール辞典」のようなものになってしまう。それはそれでおもしろいかもしれないが、本書の目指す内容は、そのようなものではない。本書の目標は「ライフハックス」とは、一言で言って何を目論んでいるものか、ということを明らかにすることだ。
この文章は、何でしょう?
実はこれは、先日発行された拙著『ライフハックス-鮮やかな仕事術』の、冒頭に掲載されるはずだった一節です。訳あって、ボツになりました。本が手元にある方は、「はじめに」のその前に以上を置くと、ちゃんとつながるように読める、と思います。読めないとなると、私の文章がかなり拙いことになりますね。
ボツになったわけは、トリビアなのですが、ここを切り捨てることで本の総ページ数が4の倍数になるからです。4の倍数というのは、紙を二つ折りにすると、見開きで2ページが作れます。それが両面あると換算すると、4ページになります。だから、本全体は4の倍数になっていると、都合がよいわけです。
そのようなわけで、『ライフハックス-鮮やかな仕事術』の「はじめに」は唐突な始まり方をするのですが、私は本の始まりというのは唐突でもいいくらい、と思っているので、このことについて不満はありません。
ここでちょっとした「トリック」をご紹介してしまいますが、文章に限らずプレゼンテーションや講演などでも、人の注意をちょっと引くために、「唐突な出だし」を工夫しようと思ったら、まずふつうの文章を作って、それから頭の一部を切り捨ててしまえばいいのです。そうすれば、「唐突な出だし」を苦もなく得ることができます。
ライフハックス-鮮やかな仕事術―やる気と時間を生み出すアイディア
佐々木 正悟

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