心理ハック
112 宝くじは買わなければ当たらない
本日は、『仕事は楽しいかね?』の本題へと入ります。一言で言うと、私がこの本によって読み取ったメッセージは、
「成功とは偶然の産物である」
というありきたりのものです。
実業であれ仕事であれ、私達がついついやってしまうのは、「宝くじを買わない」つまり、偶然に左右されにくい“手堅い成功”を、とことん追求してしまうのです。職場にいけば、たいてい、それがどんな職場であれ、「そつなく」「妥当に」与えられた仕事をこなします。「言われて初めて動くようじゃ、ダメだ」とか何とか言われると、今度は作業効率を斬新的に上げていきます。
このようにして私達にできそうなこととは、斬新的改善以外にあり得ない、と日々確信してしまうわけです。マックス老人はこのことを指して、「他人と同じような人間になることで、他人を凌駕する人材になろうとしている」と叫びます。
「一か八かの賭けをしないのなら、チャンスなど一つもない」のですが、そうは言っても賢明な人はギャンブルを恐れます。(恐れるとは言わず、キライだと言いますが)。そして、必然的成功の道を追い求めますが、少しでも頭が回るなら、「必然的成功の道」を見逃すはずがありません。
だから、必然的成功の道は、頭が回る人間でごった返す、非常に厳しい過当競争となるわけです。ただ単に競争が激しいだけでも大変なのに、その人たちがみんな優秀なのですから。したがってこの道は、避けないといけない、というのがマックス老人の「考え方」なのです。
必然的でない道となれば、偶然的な道、ということになりますが、偶然的というのは偶然ですから、事前にはその道でいいかどうかがサッパリわからない、はずです。この点が、昨日お話しした進化の話と似てくるのです。
どんな生物も、突然変異などしたくないのです。したくなくてもある一定の確率で、起こってしまうのが突然変異。その偶然の結果、首長キリンはキリン族の頂点に立ったわけです。最初の突然変異種だった首の長いキリンは、他のキリンより「優れて」いたわけでも、努力してそうなったわけでもありません。
マックス老人は、人間についても同じ事が言える、成功とは、ふんだんに努力して得られるものでも、天才的な才能が必要というわけでもない。「問題は、才能のあるなしでもなければ、勤勉かどうかってことでもない。コイン投げの達人じゃないってこと」なのだと。「コイン投げの達人じゃないこと」は「問題」なのです。
そこで今度は、コイン投げの達人になる方法が必要になってきます。しかし、コイン投げの達人であるかどうかは、完全に偶然に支配されます。偶然に支配される立場から、偶然を支配する立場へと向かうには、回数を増やすことです。宝くじは、買えば買うほど当たる確率が上がっていきます。買う前はゼロです。
このような「考え」をもとに、『仕事は楽しいかね?』は一つのテーゼで貫かれているのですが、それが「試してみることに失敗はない」という箴言なわけです。
以上の内容では、とても納得がいかないでしょう。そのようなかたのために、来週からは、あれやこれやの具体例を挙げてみます。
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