心理ハック
079 積み上げると、下をとれなくなる(逆向干渉)
1192 イイクニつくろう鎌倉幕府(鎌倉幕府開幕)
1867 イヤムナしいよ大政奉還(徳川幕府の滅亡)
と、2つの項目を覚えると、最初の方を思い出しにくくなります。これを、「逆向抑制」(逆向干渉)と言います。
ところで、実際のところ「項目X」を覚えた後、「項目Y」を覚えると、「Y」が干渉するから「X」を思い出しにくくなるのか、それとも、ただ単に時間が経って「X」を「忘却」してしまうのか、両者を区別することは、そう厳密にはできません。
簡単じゃないか、と言う方は、次のような「対称実験」を思い浮かべているはずです。
1.1192を覚えさせる → 次に、1867を覚えさせる(干渉あり)
2.1192を覚えさせる → しばらくなにもさせない(干渉なし)
「テスト」をやってみて、1の方が成績が悪ければ、あとから覚えたのが良くない(干渉)。しかし、1と2とで成績があまり違わなければ、「時間の経過」が問題。
ということになりますが、しかし・・・。
現実には、「なにもしないで」時間を過ごしても、人間の頭は何かを考えています。何かを聴いています。何かを見ています。つまり、「干渉」はどうしたって起こります。干渉のまったくなさそうな空間、つまり「ブラック・ルーム」に放り込むと、人は「空想」を始めます。あるいは眠って「夢」を見ます。ようするに、上の2を「干渉なし」と定義はしましたが、それは実験者の願望であって、実際には「干渉はある」のです。
というわけで、実際には「干渉」対「時間の経過」という対比をあきらめ、
「どんな干渉が思い出す妨げとなりやすいか?」
と問うべきです。これには、調査結果があります。
第一学習(先の学習)と第二学習(後続の学習)が時間的に接近していたり、学習内容が類似していたり、第二学習の学習量が第一学習よりも多い場合に、逆向抑制の程度は大きくなる。
[株式会社有斐閣 心理学辞典]
というわけで皆様、なぜ学校のテストがあんなに厄介だったのか、得心がいかれたと思います。(毎回パーフェクトだったさ、という方は、すばらしいです。記憶の法則をなぎ倒しておいでです)。学校の勉強では、
第一学習のあとの第二学習は、時間的に直後である → 思い出しにくくなる
第一学習と第二学習は、たいていの場合そっくり → 思い出しにくくなる
第一学習よりも第二学習は、常に量が多い → 思い出しにくくなる
思い出しにくくする要因は、全て完璧に含んでいます。
この逆を行くのは難しいですが、例えば読書などに応用できそうです。
まず、
1.最初に時間をとってガバっと読む(第一学習の量を、最大にする)
2.ガバっと読んだら、全然別のジャンルの本を読む
3.そしてしばらく、初めの本を読まずに間を開ける
マンガを繰り返し読む人は、現にこうしていますね。そしてよく覚えています。覚えていてもしようがないような、おかしなセリフまでを。






