心理ハック
オートパイロットの光と影

先日「ロボット」心理学の電子書籍版を発表させていただきましたが、オートパイロットと「ロボット」は同義です。オートパイロットと人間の有能性は切り離せない関係にありますが、オートパイロットの副作用も見過ごせません。
私の知る中で、ジョン・カバトジンはアメリカにおける重要な応用心理学者です。彼は瞑想の訓練を心理療法に応用している一人です。
彼は、「オートパイロットを停止させること」を、瞑想訓練の目的にあげています。「現代人がオートパイロットに頼って生きている」といい、慢性的な苦しみがそこに入り込むと、精神生活を狂わせるという趣旨のことを述べています。
オートパイロットの光の部分
とはいえ、仕事をするうえにおいては、オートパイロットは重要な存在です。パソコンの操作も自動車の運転も、オートパイロット抜きには考えられません。日本語を使うことや、実際には歩くことすら、オートパイロット抜きにはできません。
オートパイロットは、楽に、素早く、巧みに、エネルギーを使わずに、技術的な行為を実行するのに不可欠です。もしあなたの「読解オートパイロット」が何らかの理由で故障したら、いま読んでいるこのブログも読むことはできますが、1時間以上かけて、すごく消耗しながら読むことになるでしょう。
オートパイロットの陰
このように便利必要不可欠のオートパイロットにも、副作用があります。それはどんなことに対する注意力も切り下げてしまうことです。
楽に、素早く、巧みに、エネルギーを使わず何かをするということは、要するに注意を払わないということです。特に疲れていると、この傾向は顕著になります。モノの味が分からないまま食事をすることもできますが、「それが便利で効率的だ」という人がいたら、ちょっと病的です。
注意抜きの知覚とは、ゾンビが経験を素通りするようなものです。何かをしたとしても、それを経験したことにはならないのです。
何かしらタスクをリストに書き入れるタイミングで、「これは何?」と自問して、明瞭な答えを出すということは、オートパイロットを停止して注意を払うきっかけを得ることです。
これは空気のようにとらえがたい表現のため、その意義はつかみにくいと思いますが、意義をつかむためには実際にやってみることです。目の前にある付箋かUSBコードでも持ち上げてみて、「これはどうしてここにある?」と問いただしてみてください。
リストにあるすべてのタスクについてこの問い合わせができれば、タスクリストのタスクはもっと実行しやすくなるはずです。オートパイロットが作ったタスクリストは、使い物にならなくなることがよくあるのです。








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