心理ハック
当然できるはずのことができない、ということへの腹立たしさ

- 2010年02月17日 (水)
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電子書籍がにわかに注目されていますが、私のような「著者」という立場の人間より、やはり「消費者」の感覚のほうがずっと自然であることを、次のような記事を読むと分かりますね。
今後、電子書籍が日本市場で今より「普及する」と考えている人は44%。「分からない」が38%でこれに次いだ。普及すると答えた理由としては「コンビニのようにいつでもどこでも手軽に入手できる」「本を買いにいく面倒がない」「書庫スペースの節約、省エネ、エコにも貢献する」などが挙がった。
今日はちょっと脱線ネタです。しかし、立場的にも、また、一消費者としても非常に興味のある話です。
上の3つの理由は、私の中でも有力です。いつでもどこでも手に入ることと、買いに行く面倒がないのは、アマゾンでも同じですが、リアルタイムで手に入る点では、電子書籍がベターです。そして書庫の節約については、リアルよりもデジタルははるかにベターです。
もうひとつ、書く立場としても買う立場としても、デジタルの大きな有利点があるのです。検索の容易性です。紙の本でも「探す」ことはできますが、電子書籍になれば、この手間はおそらく比較にならないほど少なくなるはずです。検索機能がついてさえいれば。
私はそもそも、初めて読む本よりも、すでに読み終わった本に対して、とりあえず電子ブックが欲しかったのです。それはすでに今までにもできたはずの話だったのですが、そういうことすらなされないまま来たから、今になって、今のような騒ぎになっているといったら、きつすぎるでしょうか。
私を著者と知る人は、「本を書く人には、電子化は好ましくないのでは?」とたずねられるのですが、そんなことはありません。そういわれるのはちょっと不思議です。
・競争相手が激増する
・違法コピーが出回る
・「紙の本の著者」としての価値が下がる
といったあたりのことを指摘されます。
「競争相手が激増する」というのはその通りかもしれませんが、「著者」の方々を「競争相手」と見立てるなら、その数はすでに大変なものです。ですので、仮に十倍になったとしても、そんなに大きな違いがあるだろうか? というのが率直なところです。
「違法コピーが出回る」というのも、そうかもしれません。が、本はそもそも、そんなに高いものではありません。私の著作は700円〜1500円です。たとえば、Adobeフォトショップの違法コピーに対する気持ちとは、ちょっとちがうでしょう。それに、音楽などとちがって、読む手間がありますから、「すごく読みたい人がしゃかりきにコピーする」というイメージが、もうひとつしっくり来ません。
無料のコピーも出回る可能性はあると思います。ですが、著者に致命的な打撃を与えるとは、考えにくいのです。
最後に、「「紙の本の著者」としての価値が下がる」ですが、これはかまいません。「紙の本」に対する思い入れが強い人には、おそらくそうでしょう。しかし私の本の大半はデジタル向きであり、そういうつもりで書いています。そういう意味では、落ち着くべきところに落ち着くのだと思います。
たとえば私としては最初に述べたとおり、すでに読んだ本のデジタル版が、安く欲しいのです。紙の本でも、取っておく本と取っておかない本がすでにあったのですが、電子書籍が出れば、もっとたくさん買えて(紙でもデジタルでも)、もっとたくさん読めて(紙でもデジタルでも)、もっと少なく取っておくことが(紙で)できるわけです。
そういうメリットを読者の方が享受できるなら、これはよいことです。「紙の本の著者」としての私の価値など、そのメリットと比べたら、つまらないものです。
あらゆる人が、私と同じようであるとは思いませんが、私は本を買う立場として、以上のような電子書籍のメリットを、自然に得たいと思っていました。私の父なども、ほぼ同類でしょう。それができるのであれば、消費者としては大歓迎で、著者としてはとりあえず歓迎ですから、個人としてはやはり歓迎です。








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