心理ハック
「小分けにする」とやる気が出るのはなぜ?

- 2008年10月24日 (金)
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方々で、「やる気が出ない」という問題について「小分けにすること」というマインドハックを提案しているのだが、この方法がなぜ有効なのだろう、と考えた。
それほど劇的な効果があるわけではない。
しかし、2分割でダメなら3分割。それでもダメなら10%だけにするなど、とにかくやる気が出るまで分割すれば、なんとかなることが多い。
これはなぜか?
先日、『ジパング』という漫画を買った。第37巻だ。ということは、36巻まで読んできたことになるのだが、はっきり言って第36巻はちょっとイマイチだと思った。
それから今、鞄の中には『複雑系』を忍ばせていて、これが猛烈に面白い。しかし私は、やっぱり電車の中で、とりあえず『ジパング』を読んだ。面白かったけれど、『複雑系』にあっさり優先した理由が、自分でもよく分からなかった。
なぜ、漫画はこう面白いのか、また読みやすいのか。私の教養の問題もあるかもしれないが、やせ我慢の精神は、あまり縁がない。
漫画を読むというのは、やる気がとても出やすい行為だ。
明らかに、活字を読むよりもすっと入ることができる。
このことはまた、没頭しやすいということでもある。集中しやすいと言ってもいい。つまり、気損じが起こりにくいのだ。
気が散じやすく、注意が散漫になるのは、アタマに余計なことを意識させるからだと思う。たとえば今、わりと没入してこの文章を書いているけれど、読者がどう思うかとか、肩が凝ってきたとか感じ始めると、注意が散じてやる気を失う。
読者がどう思うかをイメージしたり、悪い反応を読んだときの自尊心を保つためにすることを予測すると、脳としては余計なエネルギーが必要になる。文章を書くという目的からすれば、逸脱だからだ。
また、肩凝りへも脳が対処しなければならない。指圧センターを予約するとか、ストレスに対応するとか、みんな脳の仕事だ。もちろん文章を書くこと自体からは、大きくずれた仕事である。
つまり、行為Aをするなら、脳は行為Aに全力を注ぎ込みたいのだ。そして、結果をきちっと出したという、フィードバックaを得る必要がある。
フィードバックaが強い快感であれば最高だ。漫画を読んでいる最中には、想像力をたくましくするとか、文字を読むためのサッケードを激しくするとか、そういう余計な活動がおそらく非常に少ないのに、楽しみはきちっとフィードバックされるから、やる気が出やすいのだろう。
もちろんこういう結果になるのは、マンガ家さんたちのたゆまぬ努力のおかげである。いかに読者の負担を少なく、伝えるべきことを伝えるかについて、かなりのエネルギーが注がれているからこそ、私たちは漫画を楽に読める。
ここで話を始めに戻すと、大きな仕事をやり遂げようとすると、途中で生じそうな問題が、たくさんあると思ってしまう。思うだけでなく、実際そうなることが多い。
仕事の最中に余計な問題が発生すると、その問題にも脳は対処しなければならなくなる。つまり行為Aに対するフィードバックaという関係が、ストレートにならないのだ。食事を作っている最中に、夫が関係ないことで文句をつけたりする行為が、いかに家事へのやる気を殺ぐかが、こうしてみるとよく分かる。
あるいは、何かを解約するための書類に書き込む行為が、あれほど先延ばしの対象になるかもわかりやすい。途中で「何とか番号」が必要になったりすることが多く、そうした番号を「探す」という雑務は、労多くして益の少ないものだからだ。ここでも、逸脱が問題になる。
仕事を100分割にでもすれば、少なくとも行為Aに対するフィードバックaの対応関係は確保できる。そのフィードバックは歓喜をもたらさないかもしれないが、せめて「終わらせた」という達成感くらいは得られるものなのだ。
解約の書類を全部埋めるとなると、途中でどんなアクシデントに巻き込まれないとも限らない。しかし、最初の氏名を書くだけなら、まず確実に途中で邪魔が入ることなく、終わらせられるだろう
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