心理ハック
446 不安定な衝動
というエントリが、MOONGIFTさんに上がっていました。いつもお世話になっています。
こうしたエディターには、学生時代であれば、あっという間にインストールしたものですが、今では非常に慎重になっています(行動力が低下した?)。
特に学生時代には、「いつでもどこでも仕事ができたら、仕事のつらさは激減するだろう」という幻想をもっていました。
こう思っていた背景には、「仕事には、やりたいタイミングと、やりたくないタイミングがあって、そのどちらのタイミングでやるかは、仕事の印象にとって致命的なほど異なる」という強い思い込みがあったわけです。
30代後半になってみて、この思い込みは100%間違っていたというわけではないが、60%くらい間違っていた、といわざるを得ません。自分を厳しく観察してみると、「仕事がやりたいタイミング」というものが発生するのは、多くても3日に15分程度。仕事にもよりますが。
とにかく、こんな悠長に「発火」を待っていたのでは、仕事は一向にはかどらず、締め切りを過ぎることも再三になってしまいます。基本的には、無理にでも「仕事をするモード」を用意する必要が、結局あるわけです。それならば、ユビキタスで仕事に取り組むことが、必須とは言えません。
もっとも、最近池谷裕二さんの新刊『ゆらぐ脳』(文藝春秋)を読んでいて、「考えさせられる」のですが、学生時代の私もただ怠惰なばかりではなかったようです。
議論は尽きそうもない話ですが、池谷さんは同著の中で再三再四、「脳内活動に再現性はない」という意味のことをおっしゃっています。
とても難しい話で、私にはわかりかねる部分もたくさんあるのですが、二度と再現しない「それ」が起こることを「ゆらぐ」といい、脳は常にゆらいでいるとすれば、私たちには「似たようなこと(を同じ行為と見てしまう)」なら何度もできるが、「同じこと」はまずできない、というふうになります。
必ずしも哲学的、抽象論議ではないのです。たとえば、私は子供の頃ピアノを習っていたのですが、鍵盤を均等の速さで、均等の強さで繰り返しひくということがいかに難しいかで、閉口した覚えがあります。一度できたことを、同じ強さで何度もひくなんて、簡単なことのようです。しかし、これができないのです。
強くなったり弱くなったり、指は言うことを聞いてくれません。そのことを、弾けば至極よくわかります。この「言うことを聞いてくれない」という感覚と「脳のゆらぎ」というものは、密接な関係があるような気がします。
ブログでも書籍でもいいのですが、本を書いているとごくまれに、頭の中で指をパチンと鳴らしたような、「こういう気分でもっていつもものを書くべきだ!」という感覚になれることがあります。「ゆらぎ」という話で真っ先に私が思ったのが、このことでした。これも、どうしてもうまく再現できないのです。同じ時間を選んだり、テーマを夜に決めたり、目にするものを変えたり、アロマをやったりしても、うまくいかないのです。
私たちは生き物ですから、機械のように「再現」するわけにはいかないのは、よくわかります。しかし仕事ですから、ゆらぎのうちにも再現できる技術をつかむことができれば、もう少し楽に、よりベターなものを生み出せるのではないかと、妄想してしまいます。
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ゆらぐ脳 池谷 裕二 |
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