心理ハック
441 準備不足と先送り

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グズの人にはわけがある Linda Sapadin Jack Maguire 斉藤 勇 ネスコ 1998-02 by G-Tools |
「先送り」をテーマとした本としては、今や、古典に属すると言ってもいいような本書です。「ライフハックス」と「心理学」の境界線上にあるような本書での試みは、私にとってはときどきは振り返りたくなるものです。
「先送りぐせ」を臨床心理士やカウンセラーが扱うというところに、惹かれるわけです。「なにを大げさな」と言われるのを恐れていては、この手のジャンルは職業として成り立たない。
こういうのはやはり、米国の方が取り組みやすいでしょう。日本でこうした取り組みが出てくるには、「海の向こうではこんなやりかたが流行っているんだよ」と言えることが必要です。必要は言い過ぎかもしれませんが、そう言えた方がぐっと仕事になりやすいのはたしかです。
本書では、「先送りの症例パターン」を6タイプに分類しています。
完璧主義
夢想家
心配性
反抗者
危機好き
抱え込み
この6タイプのうち、「反抗者」をのぞく5タイプまでが、「準備不足」あるいは「準備不能」の状態に陥るため、「入念な準備」を求めて「先送り」するという悪循環にはまっています。
完璧主義
たとえば完璧主義だと、準備時間がいくらあっても足りませんから、無限の準備期間を求めて、仕事は先に送られざるを得ません。5タイプ全部に共通していることなのですが、実作業に入ってしまってからでは、もはや「完璧」は望めなくなることが多いからです。
実作業に入ると修正がやりにくくなるため、作業自体は進んでも、意に沿わぬ結果に陥ることが少なくないわけです。少なくとも、完璧に近いイメージを求める場合ほど、そうなりやすいでしょう。
夢想家・心配性
まったく同じではありませんが、夢想家と心配性タイプは、「準備ができないために先に送る」という意味で、どちらも「完璧主義」と似ています。ただ、夢想家は空想の中で準備をするのです。だから、実作業段階まではなかなかたどり着けません。
一方で、心配性タイプは、準備不足を心配します。そのためやはり、なかなか実作業に入れません。準備の仕方が分からないのか、準備する時間が惜しいのかは様々でしょうが、準備せずにいながら不安になるわけです。
危機好きと抱え込み
危機好きと抱え込みはまた少し違います。危機好きタイプは、準備してはいられない状況に入って、作業だけに打ち込まざるを得ない事態を好むのです。事がそこへ至れば、今さら準備不足をくよくよしてはいられなくなるからです。
抱え込み型グズ人間は、著者によれば、「偽善グズ」とも呼ばれます。自分本来の仕事をそっちのけにして、人からの依頼にばかり時間を回して、そして「自分の仕事をやる時間がない」と嘆くのです。しかしこうした人の心理も、「準備が苦手」という事情を考慮すれば、よく分かります。
人からの依頼は、依頼を受けた段階で「準備されたもの」とみなすことができます。結局のところ、実作業に入ってしまえば仕事は進むのです。
「反抗型」は少々特殊ですが、他5タイプはこのように、「準備不足」か「準備不能」ととらえることによって、「先送りせざるを得なくなっている」心理に近づくことができます。この問題に対する対策をひとことで言うなら、「適切な成果を得るための準備を整えること」になるでしょう。その時間をどうやって作るかが、最初に考えなければならないことです。









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