心理ハック
436 頭脳のドーピング
オンライン版『Nature』が4月9日に発表したオンライン調査結果によると、主に科学者からなるコミュニティーから得られた回答の20%が、『リタリン』(メチルフェニデート)や『Provigil』(モダフィニル)など、「脳の働きを活性化する薬」を使用していると認めている。
今や驚くほどの話ではなくなってしまいましたが、ある種の人が、ある条件下で服用すれば、ある種の薬物には、能力向上について、一定以上の影響を及ぼすだろうということは、関連書籍を読むだけでも想像できる話です。
匿名。アナリストで、以前は教養学部の大学生
薬と使用頻度:「自分の能力を最大限に活用するため」、大学時代を通じて、(正式な処方箋なしに)リタリンや『コンサータ』(メチルフェニデート)、Adderallなどをさまざまな量で服用した。平均すると週に5錠ほど。
使用した結果:「実際、とても効果があった。成績優秀者にも名前が挙がった。学業平均値(GPA)は、2~3年の間に2の半ばくらいから3.5へ上昇した。これが薬の効果であることは紛れもない事実だ。
神経伝達物質の働きに直接、それも相応の影響を及ぼすこれらの薬物を、どうしても必要でもないのに(ここがポイントになるのでしょうが)定期的に服用するというのは、不安をかき立てられる話です。
これはライフハックでもなんでもありませんが、ただ、アメリカの大学で、「学業平均値(GPA)は、2~3年の間に2の半ばくらいから3.5へ上昇」というのでは、使用したくなるのも無理もないかなとは、思わせられます。日本の状況とは比較しようもありませんが、無理にするなら、大学受験生の偏差値が、 55から75に上昇した、というようなものでしょうか。
この手の薬は、自覚するしないにかかわらず、長期にわたり多量に摂取すれば、心理的な副作用となって現れるはずです。たとえば先の人は、次のように続けています。
ただし、ここ6~8カ月はどの薬も摂取していない。不安その他の副作用が出たからだ。私は非常に危険な道を進んでいたと思う。他の人には同じ道を進んでほしくない
なんだか、勝手なことを言っているようにも聞こえますが、カフェインですら、大量に摂ればそれなりの悪影響には苛まれます。実際私は時々、コーヒーとゼロコーラの飲み過ぎで、発汗と動悸と息切れに苛まれます。これが、錠剤となると、いろいろな問題があって当然のはずです。
もっとも、ある薬物が個々人にどのような影響を及ぼすか、正確に予測するのは、簡単なようで今のところ不可能です。それにしても、一番よくないと思えるのは、こうした薬を服用することが、少なからぬ人の「成績」その他に好影響を及ぼすという事実です。
それだけ私たちの社会的評価は、自意識の鮮明度【集中力、判断力、記憶力】に偏っているということだと、思えるわけです。それが何をするにも重要だということはあっても。






