心理ハック
157 「ヤーキーズ・ドットソン」とプレゼンテーション
http://www.mhhe.com/socscience/intro/ibank/ibank/0109.jpg
この図を見てみてください。
拙著『ライフハックス鮮やかな仕事術―やる気と時間を生み出すアイディア』の第二章で紹介した、「ヤーキーズ・ドットソンの法則」を図示したものなのですが、本の中では省いてしまったポイントがありました。
「ヤーキーズ・ドットソンの法則」自体は単純な法則で、活動には最適な興奮状態がある、というだけのことです。あまりに油断していてもダメ、あまりに興奮していてもダメです。これは、プレゼンテーションのことなどを考えれば、わかるでしょう。
特にプレゼンテーションなどにおいて、人前ではどうしても緊張してしまう、という方には、この「ヤーキーズ・ドットソンの法則」が非常に有効です。
緊張感それ自体は、悪いことではありません。問題なのは、「頭の中が真っ白になる」ことです。そうなると、何も思い出せず、何も考えられなくなってしまいます。この状態に陥りますと、作動記憶にあるごく少数の記憶や情報に頼らざるを得なくなるため、自分の口から、繰り返し同じ言葉ばかりが口をついてしまいます。
「ヤーキーズ・ドットソンの法則」の中で、私が本に書いておかなかったポイントというのは、難しい仕事の場合には左シフトが起きやすく、簡単な仕事では右シフトが起きる、ということです。こんな説明ではわかりにくいでしょう。実際には、簡単なことです。仕事が難しいと、すぐに緊張感が高まってしまう、ということです。
上がり症の人にとって、プレゼンテーションは「難しい仕事」です。当然、緊張レベルはすぐに上昇していきます。そこでですが、緊張状態が上昇すること自体は、悪いことではありません。すぐに緊張状態が上昇すれば、すぐに「最適レベル」まで行き着きます。ポイントはそこです。
「最適レベル」で緊張感がとどまればいいわけです。それ以上行ってしまうから、膝がガクガク言うのです。そんな、膝がガクガク言う状態でも、それでもうまくプレゼンテーションをこなすためには、プレゼンテーション自体が、「優しい」内容であればよいわけです。
もしもあなたがあがり症で、しかもプレゼンテーションをどうしてもしなければいけないときには、内容をうんと優しくし、メッセージをうんと少なめにし、それを繰り返し述べるだけですむように構成することです。それなら、「頭が真っ白」でもやれるでしょう。繰り返し述べる優しい内容であっても、当日のあなたは「七歳児並み」になってしまうことを考慮して、内容を完全暗記するくらいでちょうどよいでしょう。それほど優しければ、「過剰な緊張状態」でも、それがちょうどよい緊張レベルとなります。
そんなでは、内容が寂しいということであれば、補完するために、余った時間を質問タイムに回します。質問に答えると言うことは、自分だけで話すのよりも難易度が下がるはずです。そこまで行き着けば、そろそろ色々なことを「思い出す」ことができるようになっていて、意外に積極的に話を始める気になるはずです。







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